君のようないたずらものに逢っちゃ叶わない 御休みなもんですか、早くなさいと叱るように言って聞かせるとそれでも昨日、先生が御休だって、おっしゃってよと姉はなかなか動じない。 おや驚ろいた。 ええ 　折から表格子をあららかに開けて、重い靴の音が二た足ほど沓脱に響いたと思ったらちょっと頼みます、ちょっと頼みますと大きな声がする。 業尽きて何物をか遺す。 ところが閑中自から忙ありでね 主人はどうかしてこの鉄扇の由来を聞いて見たいと思ったが、まさか、打ちつけに質問する訳には行かず、と云って話を途切らすのも礼に欠けると思って 深夜蝋燭を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗き込むにはよほどの勇気がいるそうだ。 そうね 　元禄で思い出したからついでに喋舌ってしまうが、この子供の言葉ちがいをやる事は夥しいもので、折々人を馬鹿にしたような間違を云ってる。 同時に味噌汁は容赦なくだらだらと胸のあたりへこぼれだす。 誰がいつ、そんな嘘をついた なるほどと再び座蒲団の上に坐ったなり懐手をして考え込んでいる。