いいえお友達じゃないのよ ここには大分群をなして数にしたら、両方を合せて約二十粒もあったろう。 主人もここまで来たらついでにおお怖いとでも云いそうなものであるがなかなか云わない。 あれは始末に行かないものだ。 主人はこの鄭重なる書面を、冷淡に丸めてぽんと屑籠の中へ抛り込んだ。 どうもあの大頭が、女に文をやるなんて面白いじゃありませんか 心をどこに置こうぞ……あれも少々怪しいようだ。 時々その団子っ鼻がぴくぴく動くのは心配が顔面神経に伝って、反射作用のごとく無意識に活動するのである。 何を送った？ そうね。 　顔を洗うと云ったところで、上の二人が幼稚園の生徒で、三番目は姉の尻についてさえ行かれないくらい小さいのだから、正式に顔が洗えて、器用に御化粧が出来るはずがない。 もう少し何かやる事がありそうなものだ 　かように考えながらなお様子をうかがっていると、それとも知らぬ主人は思う存分あかんべえをしたあとで大分充血しているようだ。 これでみんな戻ったんでしょうか