生死事大、無常迅速、あきらめるさ 聞いたよ。 今の人はどうしたら己れの利になるか、損になるかと寝ても醒めても考えつづけだから、勢探偵泥棒と同じく自覚心が強くならざるを得ない。 こっちで待ってるんだと云い放った。 もっともだと評したのは迷亭で、妙に凝ったものだねと解しかねたのが主人で、やはり君、天才だよと敬服したのは東風君である。 無論五年。 君は独身でいいなあと云うと東風君は少々不平な顔をする。 羨しい。 中には沈澱党などと号して、いつまでもクラスの底に溜まって喜んでるのがありますからね。 犬は残酷ですね。 人間とはしいて苦痛を求めるものであると一言に評してもよかろう。 奥さん、今のを聞いたんですか。 だから吾人はいつの世いずくに生れてもこの二つのものを忘れることが出来ないです。 やめちゃなお困ります。