やっとの思いで渋りながら低い奴を少々出すと驚いた。 姉のとん子は、姉の権利はこんなものだと云わぬばかりにうんと右の手を延ばして妹の耳の上へのせている。 酒も飲ませますと例によって秩序のない駄弁を揮ってるうちに主人はもう帽子を被って沓脱へ下りる。 しかし土用中あんなに涼しくって、今頃から暑くなるのは不思議ですねほんとでございますよ。 その番頭が甚兵衛と云ってね。 それから老梅君も僕同様失恋になって、図書館へは小便をするほか来なくなったんだって、考えると女は罪な者だよと云うと主人がいつになく引き受けて本当にそうだ。 髷の重みだけでも横になりたくなりますよと云うと細君は今まで寝ていたのが髷の恰好から露見したと思ってホホホ口の悪いと云いながら頭をいじって見る。 先生は何でも嫌なんだから…… 巡査はただ形式的に聞いたのであるから、いつ這入ったところが一向痛痒を感じないのである。 しかし三口となるといかに本能的に鼠を捕るべく予期せらるる吾輩も手の付けようがない。 吾輩は前足に力を込めて、やっとばかり棚の上に飛び上がろうとした。 六円くらいでしょう 禿はボールドとか云います 癇違いには相違ないですがそこが文学的でかつ積極的なところなんです。